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若手人材不足による業界の高齢化やそれに伴う技術継承者の不在、2024年4月に適用される時間外労働の罰則付き上限規制(*1)など、建設業界の抱える課題は山積しています。現場ではICT化が進みつつあり、デジタル技術をより広く活用した業務効率化も、避けては通れないトピックのひとつです。変化のスピードが速く、不確実性が高く、将来予測をするのが困難な時代ともいえる昨今、建設業界といった伝統的な業界であっても、社会の変化に合わせた取り組みを行うことが欠かせません。
*1 2019年4月に施行された働き方改革関連法(改正労働基準法第36条)によって、時間外労働の上限規制が同年4月から順次施行。一部の業種を除き、大企業では同年4月、中小企業は2020年4月に適用された。建設業は業界特有の構造を踏まえ、時間外労働上限規制に関しては5年間の猶予を与えられていた。猶予期間終了後の2024年4月1日からは、一般企業と同じく時間外労働は原則月45時間・年360時間が上限となる。
「経営者から学ぶ」対談シリーズは、青山学院大学陸上競技部の原晋監督が、様々なフィールドで活躍する経営者との対談を通じて、日本を革新していく中小企業経営のヒントを探っていく企画です。原監督は箱根駅伝で同陸上競技部を過去6度もの総合優勝へと導くなど、企業経営にも通ずるチームマネジメントのスペシャリストとして、活躍し続けています。
第5回は徳島県徳島市で創業140年となる、県内最大手の建設事業者として地域に密着し、多種多様な土木・建築を担ってきた株式会社姫野組(以下、姫野組)。ICT施工や他社と共同開発したCMT工法などで実績を重ね、技術面でも高い評価を獲得しています。地元へ恩返ししたいとの想いも強く、南海トラフ地震や異常気象によるゲリラ豪雨等に備え、緊急時の待機場所や備蓄、機材を備えた常設の防災拠点を設置するなど、地域貢献活動にも熱心に取り組んでいます。代表取締役社長 松本 哲氏にお話を伺いました。
対談ゲスト プロフィール
株式会社姫野組 代表取締役社長 松本 哲(まつもと・てつ)氏
1952年、徳島県徳島市生まれ。愛知工業大学卒業後、姫野組に入社。土木の現場代理人からの生え抜きとして様々な現場で経験を積み重ね、2017年10月より代表取締役社長就任。
県内最大手の建設事業者として、地域発展に寄与したい
青山学院大学陸上競技部長距離ブロック 監督 原 晋氏(以下、原氏)
株式会社姫野組 代表取締役社長 松本 哲氏(以下、松本氏)
原氏: 私、これまで何度か徳島に来ていまして、魅力的な街だなあと思うんです。
松本氏: 監督のお気に入りの場所はありますか?
原氏: たくさんありますよ。定番の観光スポットですが、大塚国際美術館は最高でした! ゴルフ場付きの鳴門のホテルも良かったですね。徳島ラーメンのお店も美味しいところばかりです。
松本氏: それはそれは。今回東京からお越しいただきましたが、ここまでどれくらいかかりましたか。
原氏: 東京から徳島阿波おどり空港(以下、徳島空港)まで1時間10分、空港からここ(姫野組)まで車で30分ほどでした。徳島は空港から市街地までのアクセスがいいなと感じます。徳島空港といえば、姫野組で施工されていますよね。
松本氏: 2010年に竣工しました。そのつながりもあって、当社で所有していた阿波の人形浄瑠璃を徳島空港に飾っています。うちに置いておくよりも、せっかくなら仕事や観光で徳島にいらっしゃる方に見ていただきたいなと思いまして。帰りにぜひ見ていかれてください。
原氏: 拝見して帰りますね。ただ、県外から来た者として気になるのが高速道路です。高速道路網のさらなる整備が進めば、徳島という街がもっともっと発展して、より多くの方が訪れやすくなるのではと。
松本氏: そうですね。徳島の観光地といえば、県東部にある鳴門のイメージが強いかもしれませんが、県南部にも綺麗な場所や見どころがたくさんあるんですよ。上手に宣伝すれば観光地として十分成立すると思います。ただ、南の方は高速道路未開通区間ですから、移動が不便という課題があります。
原氏: 下道だと時間がかかりますよね。姫野組では四国横断自動車道(津田~徳島東区間)をはじめ、高速道路工事も数多く手がけています。直近の事例を教えてください。
松本氏: 2021年には徳島自動車道 阿波工事、2022〜2023年春にかけては四国横断自動車道 徳島市津田地区 津田Cランプ橋の下部工(橋桁を受ける土台)の施工をしてきました。過去にも多くの高速道路工事に携わってきましたので、今後も道路を通じた街の整備・発展に関わっていきたいですね。
原氏: 土木の話の流れで伺いたいのですが、御社が株式会社推研と共同開発したCMT工法についても、どんな特徴を持った工事システムなのか簡単に教えていただきたいです。
松本氏: 下水道管などの埋設工事では地中を横に掘り進めていく必要があります。その際、CMT工法を用いると、地盤の硬軟を問わず多様な条件に対応できるほか、自然環境への影響を少なくすることができるんです。従来型ともいえる大型機械を使うシールド工法と比べて1/4程度の低コストでできる点にも優位性があります。また、工事区間の始点と終点の位置のみに縦穴を設けることで、工事区間の交通や渋滞、騒音・振動などの環境問題を最小限にとどめることもできます。
原氏: 素晴らしい工法ですね。温泉も作れるのでしょうか。
松本氏: 残念ながら機械は横にしか進んでいかないので、温泉は作れません(笑)。CMT=コンパウンドミニトンネル(compound mini tunnel)の略なんです。刃先の前にモーターが付いていて、モグラが地中を前進していくようなイメージですね。横を長距離で掘り進めていく工事に適しています。
原氏: そのご説明、とても分かりやすいです! 2007年には愛知県豊橋市で、機械推進工法として世界最長となる1スパン1,447mもの長距離工事を達成していますね。
松本氏: 当社がこれまで施工したCMT工法の総延長距離は101,779mになります(2022年10月時点のデータ)。主に中部・近畿・中国・四国・九州地方で、上下水道やガス、電力等の管路の敷設をしてきましたが、この先も技術のさらなる研鑽に努めていきたいです。
経営破綻からの再始動で、創業140年を迎えた
原氏: ここまでお話しいただいたような大規模な土木・建築事業を手がけて140年になる姫野組ですが、歴史を振り返ると山あり谷ありの時期もありました。バブル景気の時代まで事業は右肩上がりに拡大していきますが、2003年に経営破綻しています。その後、民事再生手続きを経て、会社の命が残されました。そんな過程を見ると、良い伝統が脈々と受け継がれてきた会社だからこそ、金融機関などの債権者は「社会のためにこの会社を存続させなくては」と考えたのではと想像します。姫野組という会社のどんなところが評価されていたのだと思いますか。
松本氏: 徳島県内で一番大きい建設会社でしたから、当時の社長としては潰してはいけないという考えもあったでしょうね。ただ、それ以上に「人材」に価値を感じてもらえていたと思います。私は大学卒業後、新卒として姫野組に入社し、生え抜きとしてここまでやってきましたが、早い時期からいろいろな現場で仕事をする機会を与えられました。プロ意識の高い職人気質な先輩たちが技術を教えてくれて、仕上がりが少しでも甘ければ「潰してもう一度やり直すように」と言われたものです。例えば、今だと鉄筋を使う場合は鉄筋工に依頼して組んでもらうのが主流ですが、私が若い頃は先輩職人から教えてもらって自ら手を動かしていましたね。工事のプロフェッショナルともいえる職人たちが次世代に技術を継承しようとする空気がありました。
原氏: 技術を含め、仕事の本質を若い人たちに教育していく思想が、会社の根っこにあったんですね。
松本氏: 当時からありましたね。私自身も現場代理人という、予算組みから協力事業者とのやりとり含め、現場を率いる立場になってからは、自分で現場を采配するようになり、若い人たちを育てていく意識を持っていました。
原氏: 世の中には「人材=コスト」という意識もありますが、姫野組の考えとしては「人材=財産」なのでしょう。その思想が松本さんにも受け継がれていたと。
松本氏: その通りで、当社は人こそが資産です。機械は多少持っていますが、本社ビルも賃貸ですし、会社が保有する不動産もありません。経営破綻後、創業以来の同族経営が終わり、日野利治(前社長)さんの体制に変わってから「人が資本であり、人を育てていく」在り方はより強固なものになったと思います。
原氏: 日野さんが社長だった時代、企業体質改善や原点回帰として地元密着戦略強化などに取り組まれています。経営資源の選択と集中も徹底して行われたということですが、その中には「当たり前のことを当たり前のようにやっていく」ことも含まれていたのではないかと思います。私の話になりますが、青学で監督を務めるようになった20年前、本当に弱いチームでした。そこで一番にやったのは理念と目標の共有です。その上で、生活の仕方を含め、当たり前のことを当たり前のように伝えて指導していました。その積み重ねが強い青学へとつながっていったわけですが、会社のV字回復につながった教えやエピソードはありますか。
松本氏: 常に前向きな日野さんの「上向いていかなあかん」という言葉・思想が、会社の復活につながったと思います。私も何度言われたか分かりません。当社では年初に今年は土木・建築それぞれで何億円の仕事をするのかを決めるのが恒例ですが、会議で出てきた目標数字を前に日野さんは「最初から下向くんじゃない。上を見てちょうどいいくらいだから、これぐらいにするんだ」と上方修正するんです。私の上司は「こんなに仕事が取れるわけない」とびっくりしているんですが、日野さんが修正した目標数字を掲げていると、その通りになるんですよ。おかげで、常に上向きの目標を持って仕事をするのが当たり前になりました。
原氏: 素晴らしいですね。「人生に迷ったときは楽しい方を選ぶ」というのが私の考えなんですが、姫野組の社風もそれに近く「常に新しい挑戦を重ねていく」という思いがあるわけですね。ただ、そうなると目標もどんどん上がっていくわけですか。
松本氏: そうですね。最近は年100億円ですが、多いときで年130億円ほどの仕事をしていました。東日本大震災以降、国が国土強靭化を掲げている関係で、土木の大きな仕事は継続的に入ってくる傾向がありました。もちろん波はあるんですけど。
原氏: なるほど。ここで気になるのが、会社を立て直して軌道に乗せた日野さんから、次期社長としてバトンを渡された松本さんの気持ちです。当時、相当大きなプレッシャーがあったのでは?
松本氏: もちろんありましたし、そもそもなぜ私が指名されたのかも分かりません(笑)。社長業ができるくらいに身体が健康で、真面目にやってきたからかなと解釈しています。社長交代後2年間は、日野さんに会長として仕切っていただき、そばで学んでいました。現在は独り立ちして4年目になりますが、日野さん(現 名誉会長)から助言をいただくこともあります。
「人こそ資産」だから、時代に合った労働環境を整備する
原氏: すぐに経営を全任するのではなく、伴走しながら徐々に任せていくやり方だったんですね。読者には社長交代の方法やタイミングを模索する中小企業経営者もいるでしょうから、大変参考になるお話です。ただ、どの業界でも言われることですが、とりわけ建設業界には慢性的な人材不足や人材高齢化の問題もあり、姫野組も例外ではないと思います。それらの課題に対し、会社として取り組んでいることを教えていただきたいのですが。
松本氏: 建設=ブラックな業界というイメージが定着していましたからね。だからこそいろいろな試みを実施してきましたが、近年は「業務推進部(当初は「業務推進課」だったが部へと移行)」という新たな部署を作って、働き方改革を進めています。
原氏: どのような業務を担う部署なのでしょうか。
松本氏: 一言で言うと、土木と建築の業務分担・サポート業務を行う部署で、約10人が所属しています。これまでは現場代理人が現場作業に加え、勤怠管理や関連する書類作成などの事務作業も担当してきましたが、業務推進部が事務作業を中心とした業務を担う体制にしました。書類は全てクラウドで管理していますが、週1回ほどは業務推進部のメンバーが現場に立ち会い、こまやかなサポートをしています。おかげで現場代理人は現場作業に集中できるようになり、作業負担や残業時間も減っています。最初は「そんな部署が必要だろうか?」といった疑問の声もありましたが、今では新設して正解だったと社員の多くが感じていると思います。
原氏: 私が身を置くスポーツ界においても「上の言うことが正しい。これまでのやり方がいいんだ」といったような昭和的発想では、整合性のとれない時代になっていると感じています。新しい視点を持って、柔軟な発想で進めていくことが大事ですね。そのほか制度面で工夫していることはあるのでしょうか。
松本氏: 賃金テーブルは透明化しています。「この資格を取得すれば給与がどれくらい上がる」といったふうに明確にしています。建築なら1級施工管理技士や1級建築士、土木なら1級土木施工管理技士などの有資格者には資格手当も出しています。
原氏: なんていい会社なんですか! 少し愚痴になりますけど、青学の監督就任当時、私は普通免許しか持ってなかったんです。でも、試合や合宿に行くにはマイクロバスが必要です。民間バス会社に毎回依頼していたらその分コストがかかります。だから、自分がマイクロバスを運転できるようになればいいと、自腹で大型免許を取得しました。その後入ってくるコーチたちは当たり前のように「監督、僕の免許取得費用を出してください」と言うんで、仕方ないなあと思いながら払ってますけどね(笑)。
松本氏: なんていい監督なんですか(笑)。賞与は夏の一回ですが、ここ3年ほどは(月給の)10ヶ月分くらい出していました。
原氏: そんなにですか。驚いたなあ。
松本氏: 会社として儲かったら社員に還元しようという考え方です。10ヶ月分だと年収が倍になる金額感なんですよ。2022年は売上が微減したため、少し中途半端な計算になりますが、8.9ヶ月分を支給しました。
原氏: それでもほぼ9ヶ月分ですから、多い方だと思います。業界的に人材不足の状況が続く中、採用に関して心がけていることも、あわせて伺っておきたいです。
松本氏: 採用対象者の範囲を広げています。国土交通省の方針が変わった流れで、土木・建設とは関係のない学校出身者も採用するようになりました。例えば、2022年に入社した社員のひとりは工業高校の土木とは関係ない科出身で、公務員試験を受けていました。ただ、結果は不合格で。その子の担任から事前に「もし公務員試験に通らなかったら、姫野組で雇ってください」と連絡があって、いいですよと返事していたんです。働いてもらったら優秀ですよ。今は普通科出身者でもやる気があれば採用します、とアピールしています。
原氏: 土木科出身だから土木の人材にといった従来の採用基準に則らなくても、学校や科に関係なく意欲的な学生を採用して教育すれば、数年後には戦力になっている可能性が十分にあるということですよね。話が少し逸れますが、私が親交のある相撲協会の方に「もし私が親方なら相撲部出身かどうかに関係なく人材をスカウトする」と話したことがあります。
松本氏: 力士だからといって相撲というバッググラウンドにとらわれないというのは、これまでにない新しい発想でしょうね。
原氏: 例えば陸上部で砲丸投げをしていた、アメフト部に在籍していたといった、身体ができあがっている学生をスカウトして、栄養価の高い食事をとらせて稽古をさせれば、日本人横綱を輩出できますよと伝えたんです。若い人と相撲との接点があまりないから、入門希望者が少ないだけで、固定観念にとらわれずに門戸を開けば、新たな人材を採用できるんだ、と。これはまさに姫野組が実践していることだと思います。働き方改革に話を戻すと、いち早く働きやすい職場環境づくりに乗り出したことが功を奏して、良い人材の雇用や社員の幸せにも繋がっているんでしょうね。離職率も改善されたのではないでしょうか。
松本氏: 昔は離職者がまあまあいたんですけど、ありがたいことに、今はぐんと下がっていますね。
全員で高い壁に挑戦し続けると、組織の力は上がっていく
原氏: 離職率が下がったということは、言い換えると長く働いてくれる社員が増えたということですよね。「姫野組にいたら楽しい仕事ができる」「面白いプロジェクトに関われる」というのも、社員にとって姫野組で働き続ける大きな理由になっているんじゃないでしょうか。
松本氏: そうですね。2022年には徳島市の病院新築工事を担当させてもらいました。当社単独で30億円規模にもなる仕事なので、社員総がかりで取り組みました。こういう大規模なプロジェクトを進める一員になれるというのは、社員にとってもうちに興味を持ってくれる人にとっても魅力になっているのかなと思います。
原氏: 皆で一丸となってというのがいいですね。大きな仕事をとってきて「我々もできる」という姿勢をトップが示すことで、社員も「こんな大規模なプロジェクトなんてしたことがないからできない」といった考えではなく「一生懸命取り組んだらできる!」といった想いを持って、追随してくるようになったのではないかと想像します。
松本氏: 今後も規模の大きい仕事を獲得していけたらと思っています。ただ、建設業界外の人だと「地元の建設会社よりもゼネコンの方が向いているのでは」と考える傾向があるので、実績を通じて「姫野組でもここまでの仕事を受けられますよ」と、市町村含めた社外にも広く伝えています。そうすることで声をかけてもらえる機会も増えますから。
原氏: しかし、改めて30億円とはものすごい規模感ですよね。そこまでのビッグプロジェクトを遂行するようになった転機はあったのでしょうか。
松本氏: とある病院建設の入札に姫野組単独で参加させてもらったことがあるんです。60億円を積算しましたが、契約には至りませんでした。かなり惜しいラインだったんですけどね。ただ、この経験が30億円の仕事につながっていると思います。
原氏: なるほど。大仕事に挑戦し続けることによって、自分たちにとって「できる基準」が上がり、これまでできるかできないか分からなかった、それよりは小規模な仕事が自然とできるようになるんでしょうね。それに伴い、社員たちの視座も上がって、会社として成長していく──そんな流れができているんじゃないでしょうか。
松本氏: きれいにまとめていただきました(笑)。監督も同じようなエピソードがありそうですね。
原氏: そんな話をひとつ披露しますね。5年前、5,000mを13分台で走るランナーは青学に3〜4人だけでした。でも、私はある年の年度初めに「箱根駅伝のエントリーメンバーは16人全員、5,000mを13分台で走る者で揃える」とみんなの前でぶち上げました。部員全員きょとんとしていましたが、その目標に向けて練習の仕方を変えたら、2年後には目標通りになったんです。
松本氏: ものすごい話ですね。
原氏: 姫野組さんの事例と近いものがありますよね。60億円できょとんとしていたのが、みんなで30億円の仕事と格闘した結果として、実績も自信も生まれたわけですから。最後に、姫野組としての今後の展望を教えていただけますか。
松本氏: 2023年初頭、当社公式サイトに公開した動画で「100年後を想像しながら ものつくりをしています」「建設はふるさとの力になる」と伝えています。短期的な目標だけではなく、中長期的な目線も疎かにせず、自らも成長しながら地域の発展に貢献していきたいなと考えています。
原氏: そういった姿勢に共感して入社を希望する人材、仕事を依頼する企業・団体は後を絶たないと思います。本日は中小企業経営者にとって学びになるお話をありがとうございました。
最後に
■松本社長から中小企業経営者へのメッセージ
私たちの業界でいうと技術力を筆頭に、自社の実力を高めていくことが、新たな仕事を獲得し続ける必須条件だと思います。果敢にチャレンジを積み重ねていくことも必要です。また、常にアンテナを立てて、国が発表する情報を積極的にとって、生かしていくことも欠かせません。もちろん健康第一ですから、心身を健やかに保つことも重要です。受け身ではなく、攻めの姿勢でいることが中小企業ならではの戦い方かなと思います。業界は違っても共に成長していきましょう。
■対談を終えて原監督が感じたこと
140年の歴史の中で、経営破綻というネガティブに捉えられる出来事を乗り越え、周囲の信頼を取り戻す仕事を積み重ね、見事な復活を遂げた姫野組の強さは「人」にあります。働く人を大事にする組織では、そこで蓄積してきた知見や技術が次世代へ丁寧に受け継がれていくものです。「人こそが資産」という松本社長の言葉は大変印象的でした。徳島県の発展や街の魅力をより引き出す事業を150年、200年と長く続けてほしいなと願っています。
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