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朝礼でのスピーチは、従業員に経営者の想いを直接に伝えられる貴重な機会です。しかし、話の構成や話し方に気を配った「伝わりやすい話し方」でないと、経営者の想いはなかなか伝わりません。
ここでは、経営者がしっかりと想いを伝えられ、聞き手の心に響かせることができる、朝礼スピーチの上手な話し方のコツをご紹介します。
まずはスピーチのテーマと構成を練る
スピーチの話し方は、話し手の想いを伝える上で重要です。同様に、スピーチのテーマと構成も、決して見過ごしてはいけない重要な要素です。
話し方のコツをご紹介する前に、まずはスピーチのテーマと構成の基本をチェックしていきましょう。
スピーチのテーマ
スピーチのテーマを決める際には、「何のために朝礼でスピーチを行うのか」を明確化し、その目的に沿ったテーマを選ぶことがポイントです。
朝礼で経営者がスピーチを行う目的は、企業によって多少の違いはあるかもしれませんが、共通する目的は「みんなでいい仕事するため」といえるでしょう。経営者が朝礼のスピーチで指針としてほしいのは、その目的の達成です。スピーチはあくまでその目的を達成するために行うものですから、基本的な目的に沿ったテーマを選んでください。
スピーチの構成
スピーチの構成も力を入れたい要素です。伝えたいことが多いと、あれこれと話を盛り込みたくなりますが、重要なポイントがたくさんあっては、最終的に伝えたい内容がぼやけてしまいます。
スピーチの構成では主題を1つに絞りこみ、主題に関係のない話には触れないようにして、「何を伝えたいのか」をわかりやすくすることが大切です。
スピーチの構成におすすめの手法が、PREP法(プレップ法)です。
PREPとは、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(実例、具体例)」「Point(結論)」の、それぞれの頭文字を取って作られた名称です。
この順番でスピーチを構成していくと、最初に結論を話すことで「何を伝えたいのか」が明確になり、その理由、具体例と続けることで説得力が生まれます。聞き手も、結論の後にその理由が説明されると予想できるので、話に集中することができます。そして最後に、再び結論を繰り返すことで、聞き手の印象に残りやすくなるというわけです。
例えば、スピーチのテーマが「明るい挨拶をしよう」である場合、次のような構成が考えられます。
Point:明るい挨拶をしよう。
Reason:なぜなら、自分も相手もうれしい気持ちになれるから。
Example:道ですれ違った小さな子どもに元気に挨拶をされ、自分も挨拶を返したら、とても気持ちが良かった。同時に、普段はこうした挨拶ができていなかったことに気づいた。
Point:これからは積極的に挨拶をしていきたいと思うし、ぜひみんなで取り組んでいこう。
朝礼スピーチはテーマの選び方と、話の構成が重要になりますので、そこはぜひ覚えておきたいところです。
朝礼スピーチで取り入れたい、上手な話し方のコツ
朝礼スピーチの目的に合ったテーマを選び、伝わりやすいスピーチの構成を練っても、話し方が悪ければ想いは十分には伝わりません。聞き手の共感を呼び起こすには、上手な話し方のコツを押さえて、人を引きつけるような話し方にする必要があります。
続いては、朝礼スピーチにおける上手な話し方のコツを5つご紹介します。
伝えたいことを明確にし、話し方に強弱をつける
何を伝えたいのかがあやふやな内容では、聞き手も話の焦点に集中できず、疲れてしまいます。「結局は何が言いたかったの?」という印象で終わってしまい、聞き手の心に残りません。聞き手に伝えたいことは1つに絞り、その伝えたいことをスピーチの最後に強調しましょう。結論は話の前半部分よりもハキハキと明確に話すことが大切です。
話が長くなりすぎないようにする
話が長すぎると聞き手の集中力が持ちませんし、何より朝から長い話を聞かされることで、従業員のモチベーションが下がってしまう可能性もあります。朝礼スピーチは3分程度を目安にし、長くなるのは避けましょう。
自身の言葉で語る
インターネット上には朝礼スピーチの文例がたくさん掲載されていますが、どんなに良くできた文章でも、そのまま読み上げただけでは聞き手の心には響きません。インターネット上の情報は、朝礼スピーチの話題のヒントにするのにとどめ、自分の言葉で話す癖をつけるようにしましょう。
正論一辺倒ではなくストーリーで話す
いくら伝えている内容は正しくても、正論をぶつけるばかりではお説教と捉えられてしまい、人の心には残りません。例えば、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を適切に行おう」というテーマを伝えたいとして、「仕事を円滑に進める上では必須」「ホウレンソウができないのは社会人失格」といった切り口で話をしても、従業員からの共感を得ることないでしょう。
しかし、「ホウレンソウが適切に行われたことで、作業効率のアップや業務の円滑化にどう役立ったか」をストーリーとして話し、「ホウレンソウを適切に行っていきましょう」と結べば、聞き手の心に届きやすくなります。
話のまとめでは主語を「私たち」にする
どんなにいい話をしても、それが自分とは異なる「他人の話」と捉えられてしまうと、聞き手の興味や関心を引くことはできません。聞き手に興味を持ってもらうには、最後の結論の主語を「私たち」にすることが効果的です。「私たちで◯◯をしていきましょう」と結ぶことがポイントとなります。
例えば、自分が病気を早期発見・治療できた経験から健康診断を受診する大切さを話す場合、結論が「健康診断を受けるように」では聞き手に響きづらいですが、「誰にとっても健康はとても重要なもの。だから私たちみんなで健康診断を受けましょう」と結ぶと、聞き手も自分事として捉えやすくなります。
スピーチでは身振りや手振り、表情にも気をつける
しっかりと話の内容を伝えるには、ボディランゲージも重要です。最後に、聞き手の心に届きやすい、身振りや手振り、表情といった身体的アピールのポイントをご紹介します。
丁寧に大きな声で、ハキハキと話す
どんなにいい話をしても、聞き手に聞き取ってもらえなくては意味がありません。特にコロナ禍の現在、マスクをしているとどうしても声がこもりやすくなります。朝礼スピーチでは、大きく口を開けて丁寧に、普段より大きめの声でハキハキと話すことを意識しましょう。
話の内容に合わせて抑揚や表情をつける
声の抑揚やリズム、話し手の表情がずっと同じだと、聞き手の集中力は途切れてしまいます。特に、聞き手に伝えたいポイントのところでは、声を張るくらいの気持ちで臨みましょう。
喜ばしいことを伝えるときはうれしそうな表情をするなど、話の内容に合わせて抑揚や表情をつけていくと、聞き手の興味を引くことができます。
手は組まず、ボディランゲージを取り入れる
両手を体の後ろで組む姿勢は、何か隠し事をしているように映り、聞き手を不安にさせる姿勢です。両手は胸の前か腹部のあたりで軽く組んでおき、話の内容に合わせてボディランゲージをするのがおすすめです。最初は難しく感じても、慣れれば自然にできるようになります。
聞き手の顔を見る
一人対複数人の朝礼スピーチは、話し手と聞き手に物理的な距離があります。しかし、1対1での会話と同じように聞き手の目を見て話すと、聞き手に伝わりやすくなります。目を合わせるのが心理的に難しい場合は、聞き手の眉間や鼻、口など、顔のパーツをぼんやりと見ることでも効果は変わりません。聞き手は自分の目を見ていると受け止め、スピーチが会話のように近しい印象になります。
注意を引きたいときや落ち着きたいときは、2秒間黙る
スピーチをしている最中で、落ち着きたいときや聞き手の注意を引きたいときは、2秒間の沈黙を作るのが効果的です。2秒の隙間があると、聞き手の注目が話し手の表情に集まり、話の続きを待つ姿勢になります。
2秒の沈黙の後、話し手が心を落ち着かせ、ゆっくりと再び話し始めるときには、聞き手の次の話題への集中力が増しているでしょう。
内容と伝え方、両方に気を配ることで心に残るスピーチになる
聞き手の心に残る朝礼スピーチには、テーマ選びや構成、話し方のどれもが大切です。お説教のようにならないよう、結論の主語を「私たち」にしたり、ストーリーを盛り込んだりと工夫をし、普段の会話よりも大きめの声ではっきりと、抑揚や声のトーンを変化させながら話しましょう。
最初はなかなかうまくできなくても、経験を重ねるうちに自然と「伝わりやすい朝礼スピーチ」ができるようになるはずです。朝礼スピーチにマンネリを感じている方は、ぜひここでご紹介しているコツを取り入れてみてください。
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