スペシャリスト

航海士だからこそ発揮できる海上輸送の支援がある(竹内 玲)

⽵内 玲|Rei Takeuchi
AIG損害保険株式会社
海上保険部
リージョナルマリン・リスクコンサルティングマネージャー

2022年12⽉AIG損害保険株式会社に⼊社。前職では航海⼠として原油・液化⽯油ガスタンカー、コンテナ船、⾃動⾞専⽤船に乗船し、世界中の海上輸送の現場に⽴ってきた。前職での知⾒と専⾨性に基づいて、世界中のマリン・リスクコンサルティングに取り組む。⼀級海技⼠(航海)、海事補佐⼈。

私はマリン・リスクコンサルティングマネージャーです。聞き慣れない職種かもしれませんが、⼀⾔で表すと「海上輸送におけるリスク分析と改善策提案のスペシャリスト」です。

貨物海上保険は、事故などで貨物に損害が発⽣した場合に保険⾦が⽀払われますが、 それは経済損失の⼀部を補填したものに過ぎません。事故を発端とする⾵評被害や商品の輸送停滞により、商機を失うなど保険ではカバーしきれない経営にまで⽀障をきたす「ロス」となる可能性もあります。

そこで、AIGグループでは、事故を未然に防ぐための提案や、ロスを軽減するための改善策の提案、または事故の再発防⽌策をアドバイスすべく世界中で15名のマリン・リスクコンサルティングマネージャーを特命として配属させています。

例えば、貨物の⽔濡れ事故の場合、問題の多いケースはコンテナ内の荷物の覆い⽅です。そこで実際に私がお客さまとお会いして、荷物の覆い⽅に問題がないのか確認して、問題があるようならば改善策を提案します。

さらに、契約企業の貨物ご担当者さまと私、そして運ばれてきたコンテナを港湾側で確認する検定業者に協⼒を仰ぎ、三者が協⼒をして、事故の再発防⽌策をつくりあげていくこともあります。

貨物の事故を未然に防ぐ⽅法や改善策を提案しても、それを実際にお客さまが取り組んでいただかなければ意味がありません。また、改善策も社内で徹底し、継続されなければなりません。マリン・リスクコンサルティングマネージャーの役割は、リスクのレポート提供のみでなく、そのリスクをどうやって判断するのか、そして今後どうやって社内で取り組んでいくのかという道筋まで説明をして、⼀緒になって解決をしていくことです。

前職は航海⼠です。原油タンカーや貨物コンテナ船などに乗って、6年間、世界中の海上輸送に携わってきました。

⼦どもの頃から貨物を運ぶ乗り物が好きで、船舶関連の⼤学へ進みました。船を運航する勉強だけでなくロジスティクスの修⼠課程まで修了し、商船の会社に⼊社。海上輸送の基礎をみっちりと叩き込まれました。

しかしながら、前職のときに貨物コンテナが⼤量に流出してしまう事故がありました。その中には、お客さまの引っ越しの荷物もあり、家族の思い出までも失う取り返しのつかない事態もありました。そこであらためて貨物を安全に取り扱う責務を痛感し、私に何ができるだろうかと考えていた時に、貨物海上保険という世界に興味がわき、その世界に⾝を置いた今も責務を全うすることを信念としています。

AIG損保に⼊社する前に、他国を含む同じ部⾨のさまざまな社員から話を聞く機会がありました。驚かされたのは、彼らが⼀貫して同じ⽅向を向いていることでした。グローバルで、リスクというものに対する意識や価値観が共有されているのだと思いました。

2022年、実際にAIG損保に⼊社してマリン・リスクコンサルティングの仕事に携わってみると、意識や価値観だけではなく、世界中で情報や知⾒が共有されていました。このボーダレスな『横断⼒』こそが、AIGグループの強みと感じました。

例えば、これまでのキャリアではカバーできないセキュリティなどの分野では、つぶさに他国のマリン・リスクコンサルティングマネージャーからアドバイスをもらうこともできるのです。

もともと船乗りですから、海上輸送に対する基本的な知識は携えています。しかし、海上輸送の世界の情報に関しては航海⼠をしていたときまでのものしかありません。物流の世界は技術⾰新もあれば、トレンドの変化も速いです。

専⾨性は私の武器ですが、専⾨知識はどうしても古くなっていくものです。グローバルでの最新情報のキャッチアップと、AIGグループ内のナレッジ交換により専⾨知識をアップデートして、⾃分⾃⾝の提供価値も進化させていきたいです。

⽵内 玲(たけうち れい)
AIG損害保険株式会社
海上保険部 リージョナルマリン・リスクコンサルティングマネージャー

2022年12⽉AIG損害保険株式会社に⼊社。前職では航海⼠として原油・液化⽯油ガスタンカー、コンテナ船、⾃動⾞専⽤船に乗船し、世界中の海上輸送の現場に⽴ってきた。前職での知⾒と専⾨性に基づいて、世界中のマリン・リスクコンサルティングに取り組む。⼀級海技⼠(航海)、海事補佐⼈。

本記事の内容は、2024年2⽉時点の事実に基づき記述しています。記事内の数値や部署名または⼈材の所属は現在の内容と異なる場合がございます。

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