海外進出白書

アフターコロナの海外進出トレンド分析:製造業

2024年7⽉2⽇ 公開

アフターコロナの海外進出トレンド分析(2) 製造業は地産地消による販路開拓のトレンドが復調の兆し

製造業ではコロナ禍において、⼤きな投資を伴う海外事業をペンディングさせた企業もありました。しかし、コロナ収束に向けて再度体制を整えて、海外展開を本格化させる動きも⾒られます。製造業はどのような国や地域に、どのようなビジネスチャンスを狙って海外進出を検討しているのでしょうか。

この記事は、AIG損保と海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima 〜出島〜』(運営:株式会社Resorz)が協⼒して制作した「海外進出⽩書2022-2023」の中から、AIG損保が注⽬したトピックを⼀部編集してご紹介しています。

「海外進出⽩書2022-2023」をダウンロードする

販路拡⼤を狙える国・地域へ海外進出している製造業

製造業が海外進出先として検討している国や地域、⽬的(相談内容)、企業の規模はどのようになっているのでしょうか。海外進出動向調査の全体と製造業のみを抽出したデータを⽐較することで、⽇本企業の進出動向を考察します。

⽇本企業の海外進出動向調査

調査概要:インターネット・電話による相談の集計・分析
調査対象:『Digima 〜出島〜』への海外進出に関する相談4,537件
調査期間:2022年4⽉~2023年3⽉

最初のグラフは、海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima〜出島〜』に海外進出相談をした企業の業種別割合です。「製造」は「卸売・⼩売」に次ぐ2位で、全体の約1/5を占めるほどボリュームがありました。

海外進出検討企業の「業種別割合」(全体)

国別では全体と⽐較して「ベトナム」「台湾」「ヨーロッパ」という販路拡⼤先として注⽬を集めるエリアの割合が多くなっています。

海外進出検討企業の進出先「国別割合」(全体)

海外進出検討企業の進出先「国別割合」(製造業のみ)

また、販路拡⼤⽅法としては「営業代⾏・販売代理店探し」の割合が全体よりも減少し、「海外市場調査・マーケティング」「海外WEBプロモーション」の割合が⼤きくなっています。ブランディングなどを重視し、消費者に対しダイレクトに商品・サービスを届けようとする傾向が⾒られます。

製造委託先でそのまま販路を拡⼤する地産地消モデル

製造業の相談内容別割合では、全体と⽐べて「販路拡⼤(営業代⾏・販売代理店探し)」の割合が多くなっています。また、全体と⽐べて「輸出⼊・貿易・通関」の割合は低く、「海外製造委託先探し」の割合が⾼い傾向が⾒られます。

海外進出検討企業の進出先「相談内容別割合」(全体)

海外進出検討企業の進出先「相談内容別割合」(製造業のみ)

「海外製造委託先探し」が増えた背景にはASEAN各国の⼯場のクオリティが上がったこともありますが、「製造委託先」の国でそのまま販路を拡⼤する「地産地消モデル」が注⽬されていたことがあります。ASEAN各国の市場としての価値の⾼まりが、そうしたトレンドを作り出しています。

「輸出⼊・貿易・通関」に関しての相談割合が全体よりも少ないのは、海外拠点などを既に構えているケースや、輸出⼊のノウハウを持っているケースも多いという、製造業の特徴のためです。

規模別の割合では、⽐較的規模が⼤きい企業が多くなっていますが、相談内容として「販路拡⼤(営業代⾏・販売代理店探し)」「海外ECモール出品代⾏」が多い点は、興味深い傾向と⾔えるでしょう。

海外進出検討企業の「企業規模別割合」(全体)

海外進出検討企業の進出先「企業規模別割合」(製造業のみ)

出典

本原稿および全てのグラフは、2022年4⽉〜2023年3⽉の期間に、海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima 〜出島〜』へ寄せられた海外進出相談と海外進出企業・海外進出⽀援企業を対象に実施したアンケートをもとに作成された「海外進出⽩書 2022-2023」を出典元にAIG損保で編集したものになります。

海外ビジネス⽀援プラットフォーム「Digima 〜出島〜」のページ(外部のサイトに移動します)

詳しくは「海外進出⽩書 2022-2023」をご覧ください。

卸売・⼩売業、IT・通信業、サービス業などの海外進出動向もご覧になれます。

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