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1 はじめに
インフルエンザが流行する季節は、社内に感染者を出さないためにも、従業員の予防だけでなく会社が早期に対策することが大切です。それでは、インフルエンザを予防するために、社内でどのような対策をとるべきなのでしょうか?また、もし社内に感染者が出た場合、その従業員は熱が下がったらすぐに出勤してもよいのでしょうか。
ここでは、会社が取り組みたい従業員のインフルエンザ予防と、感染後の出勤に関する注意点などをご紹介します。
2 インフルエンザにはどのようにして感染する?
インフルエンザの感染経路は、「飛沫(ひまつ)感染」と「接触感染」の2種類に分けられます。
飛沫感染は、インフルエンザ感染者による咳やくしゃみが原因です。咳やくしゃみの飛沫に含まれるウイルスを口や鼻から吸い込むことで感染します。
接触感染は、その名のとおり、物への接触から感染してしまうパターンです。感染者が咳やくしゃみを手で押さえたり、鼻水を触ったりした後に、ドアノブやスイッチといった場所に触れることでウイルスを含む液体が付着してしまいます。そこにふれた手で口や鼻に触れてしまうと、粘膜を通してウイルスが体内に入り込み、感染してしまうのです。
出典:厚生労働省HP「インフルエンザ一問一答」
3 会社が取り組みたいインフルエンザ予防
おもに2つのルートで、あっという間に感染が広がるインフルエンザ。流行を拡大させないために、会社側が取り組むべきインフルエンザ予防をご紹介します。
●マスクの着用と手洗い&うがいの促進
咳やくしゃみが出ている場合は、マスクの着用が社会人として最低限のマナーです。まずはこのことを徹底することが感染の拡大を防ぐ一番の手段といえます。インフルエンザが流行する季節には社内にマスクを常備しておくと良いでしょう。また、せっかくマスクを着けていても鼻の部分に隙間ができたり、顎を広く出していたりすると効果がないため、鼻と口をしっかりと覆う装着方法を社内で共有しておきましょう。
さらに、出社時や外出先から戻ったときや、食事の前に手洗いとうがいをするよう促進することも大切です。
●アルコール消毒
アルコールを含む消毒液を社内に用意し、いつでも手を消毒できる状態にしておきましょう。エントランスや洗面所、食堂などに設置すると効果的です。
●こまめな換気
感染を予防するには、空気が清潔に保たれていることも大切です。最低でも1時間に1回程度、窓を開けるなどして室内の換気を行いましょう。
●湿度管理
空気が乾燥していると、粘膜の防御機能が低下してしまうため、インフルエンザに感染しやすくなってしまいます。冬場の室内は乾燥しやすいため、オフィススペースに加湿器を設置するなどして、50~60%程度の湿度を維持できるようにしましょう。
●予防接種の促進
インフルエンザワクチンの予防接種には、ある程度インフルエンザの発症を抑える効果や、重症化を防ぐ効果があるといわれています。なるべく予防接種を受けるよう従業員に促すことで、社内の感染リスクを下げることができるでしょう。なお、ワクチンの効果や副反応など注意すべき点について、ワクチン接種を受ける人、またはご家族の方は、接種される医療機関にて、十分理解できるまで説明を受けてください。説明に同意した上で接種を受けるようにしましょう。
4 インフルエンザ感染後の出勤について
一般的に、インフルエンザの発症前日から発症後の3~7日間は、鼻や喉からウイルスが排出されているため、外出を控えたほうが良いとされています。また、解熱後もウイルスが完全に排出され、なくなるわけではありません。熱が下がったからといって、すぐに出社させるのは避けてください。なお、ウイルスの排出期間には個人差があるため、解熱後も咳やくしゃみがある場合は、マスクの着用などで周囲への感染を防ぐことが大切です。
従業員がインフルエンザにかかった場合、就業の制限については会社の裁量と個人の判断に委ねられています(ただし、新型インフルエンザの場合は法的な就業制限があります)。一方、児童の場合は「学校保健安全法」によって出席停止期間が明確に定められており、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」とされています。インフルエンザに感染した従業員の出勤についても、これに則して出勤を再開させるようにすると良いでしょう。
5 おわりに
一人でもインフルエンザ感染者が出てしまうと、ほかの従業員の感染リスクが一気に高くなります。その後の対応を誤ると、予想外の感染規模になってしまう可能性も考えられます。
インフルエンザによって人手不足に陥り、事業に影響が出るリスクを避けるためにも、早めの予防対策をとり、社内全体で共有しておくことが大切です。冬を迎える前に、改めて社内で実施すべきインフルエンザ対策を確認しておきましょう。
MKT-2024-524
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