冬の足元に潜むリスク
「転倒」は冬季に多く見られるけがの一因。
転倒する理由は、滑り・つまずき・踏み外しに大別できます。中でも冬、特に気をつけたいのは滑りによる転倒です。
東京消防庁が発表した「積雪や凍結路面に係る救急事故の発生状況」によると、毎年12月から3月までの間に、路面凍結や積雪によって滑って転倒することによる救急事故が多く発生しています。
特に、積雪の多かった月には救急搬送人員が急増し、路面凍結や積雪が転倒を引き起こしやすいことが分かります。
また、転倒して負傷した人の年代はさまざまで、「歩いて坂道を下っていたところ、凍結した路面で足を滑らせて転倒し腰を痛めた」30代の事例も紹介されています。若い世代にとっても他人事ではありません。
冬は路面が凍ったり、雪が積もったりする地域も多いため、そういった「普段とは異なる状態」の道路を歩くすべての人にとってリスクの高い季節といえます。
転倒はプライベートの時間、仕事(業務中)の時間を問わず起きる可能性がありますが、今回は労働者を前提とした厚生労働省(労基署)のデータを用いて、業務中に起きる転倒に焦点を当てた内容をお届けします。