Living My Life マガジン

医師も実践!免疫力は「高める」より「維持」がカギ!

コロナ禍以降、注目が高まる一方の「免疫力」。昨今もマイコプラズマ肺炎やインフルエンザなどの流行が話題になる中、免疫力とは何か、どうしたら高まるのか、関心を持つ人も多いのではないでしょうか。
今回は、免疫力について医師の新井陽先生に教えていただきました。

免疫力は「落とさないでキープ」が大切

「免疫」とはウイルスや細菌から体を守る仕組みのことです。その度合いを「免疫力」と私たちは呼んでいます。免疫の主人公となるのは、血液の中にいる白血球です。白血球がしっかり働いていると、身体が細菌やウイルスときちんと戦うことができ、病気の発症そのものや、重症化を防ぐことにつながります。

今あちこちで「免疫力を高めよう」「免疫力アップ」といったフレーズを聞くので、免疫力は高いほど良いと思っている人もいるかもしれません。しかし、厳密には違います。
免疫力が高すぎることで引き起こされる病気もあり、身近な例ではアレルギーが挙げられます。また、リウマチや潰瘍性大腸炎といった、免疫により自分の身体を攻撃してしまう自己免疫疾患も該当します。

細菌やウイルスときちんと戦える、風邪を引きにくい体を作るには、免疫力をひたすら高めるというよりも、免疫力を「落とさないでキープする」ことをイメージすることが大切です。

免疫力キープのカギとなる「睡眠・食事・運動」

では、ほどよく免疫力を高め、それを維持するには何が必要なのでしょうか?
ときどき、「免疫力が上がる食べ物はありますか?」などの質問を受けますが、◯◯が免疫に効果的という関係性は医学的には裏付けが難しく、はっきりとはいえません。

特定の何かではなく、むしろ免疫力キープに必要なのは基本の生活習慣を整えることです。
「睡眠・食事・運動」の3つが安定している人は感覚的に「免疫力が高い人だな」と感じます。そんな単純なのかと思うかもしれませんが、忙しい現代人にとって、この3つを大切にすることが意外と難しいのではないでしょうか。

睡眠は7時間を目安に眠って、しっかりと疲れを取ること。食事はバランスよく、特に不足しがちな野菜、海藻、きのこ類などを意識して食べましょう。運動習慣のない人は、ウォーキングぐらいの負荷の軽い運動から始めて、慣れてきたら息がはずむくらいの運動や筋トレを取り入れることをおすすめします。

医師自身が心がける健康的な体づくりの習慣とは?

ちなみに、私自身が風邪をひかないように心掛けていることのひとつは、体を冷やさないことです。寒い季節はできるだけ体を温めて、暑い季節は汗をかいたままにしないなど、とにかく冷やさないように気をつけています。

もうひとつは、スマホなどから離れてリラックスする時間を1日5分でも持つことです。いつもの道を少しだけ遠回りして歩く、お風呂にゆっくり浸かる…何でもいいので、自分なりのリラックス方法をいろいろと用意しておくのがおすすめです。

ちなみに「風邪を引いたほうが、免疫がついて丈夫になる」という考え方(医学用語で衛生仮説といいます)は、重症化や後遺症のリスクを考えると、決しておすすめできません。基本の生活習慣を少しずつ見直し、免疫力の安定した元気な体を目指していきましょう。

<監修者プロフィール>

新井 陽(あらい よう)

吉野聡産業医事務所所属の医師、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。官庁、研究機関、シンクタンク、民間企業等で産業医として勤務し、働く人の健康管理・予防医療に取り組む。メンタルヘルス対応をはじめとした産業衛生に関する研修講師も多数実施している。

おすすめサイト

メールマガジンに関するお問い合わせはこちらまでご連絡ください

>> メールマガジン利用規約
>> お客さまの個人情報のお取扱いについて

発行AIG損害保険株式会社 マーケティング
〒105-8602 東京都港区虎ノ門4丁目3番20号