心身の健康に大きく影響する「睡眠」。良い眠りを求めて、世の中には日々たくさんの情報があふれています。
本当に良い眠りとは?快眠の方法は何か!?
睡眠コンサルタントの友野なお先生に教えていただきました。
上質な「濃い眠り」とは、浅い・深いのバランス型
人々が睡眠に求めるものは時代とともに変化しています。ひと昔前は「睡眠時間」が重視されましたが、次は「深い睡眠」を追求するフェーズに移り、現在は「濃い眠り」を求める段階にあると感じています。
「濃い眠り」とは、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠の両方が、バランスよく取れている睡眠のことです。
自分の睡眠が「濃い眠り」かどうかの答えは、昼間にあります。昼間にひどい眠気に襲われることがなく、元気にパフォーマンスを発揮できていればひとまず大丈夫。朝、便がすっきりと出ているかなど、お腹の調子も睡眠の質を知るヒントになります。
ときどき「睡眠には困らなくて、夜も昼も、いつでもどこでも眠れるんですよ!」という声を耳にします。
例えば昼間、電車で座った瞬間や、硬い椅子など、環境が悪くても眠れてしまう…そのような場合、実は夜の睡眠の質に問題があるかもしれません。「濃い眠り」ができていないから、昼間に眠ってしまう可能性があるのです。
睡眠改善の第一歩は、自分の睡眠パターンを知ること
眠りに問題がありそうだ、もっと睡眠の質を良くしたいと思ったら、何をすればいいのでしょうか。
まずは自分の睡眠そのものを可視化して、自分の睡眠パターンを知ることから始めましょう。睡眠を計測できるデバイスを活用すると便利ですが、手帳やカレンダーなどに睡眠の記録をつける方法でもある程度のパターンは把握できます。
朝起きたときに「眠れなかった」「良く眠れた」など簡単なメモでかまいません。できれば、就寝と起床時間や眠る前までの行動などをメモしてみましょう。夜遅くまでパソコンをしていたからあまり眠れなかった、考え事があった次の日は昼間の眠気がひどい…など、パターンが見えてきます。
「濃い眠り」のために今夜からできるマインドセット習慣
では、質が良いとされる「濃い眠り」はどうすればできるのでしょうか。
寝室や寝具などの環境を整えることも大切ですが、ぜひやってほしいのが濃い眠り、すなわち快眠のためのマインドセット(心構え)です。「濃い眠り」を得るには自律神経を「副交感神経優位」にする必要があり、そのためには脳のスイッチをOFFモードにしなければなりません。
快眠のためのマインドセットとしておすすめの方法は、毎晩、眠る前の15〜30分ほど、自分の意識を現実とはまったく違う世界へ飛ばすことです。
現実とは接点のない世界に意識を向けられれば、手段は何でもかまいません。例えば、小学校中学年向けのハッピーで穏やかな内容の読書をする、ファンシーなぬり絵なども良いですね。このほか、旅行プランを練るのもおすすめです。今週末に海外に行くと想定して、旅行ガイドを見て気持ちをトリップさせてみてください。ただし、スマホの閲覧はNGです!
特に布団に入って、眠る直前までスマホを見ると、脳のスイッチがOFFモードになりません。「濃い眠り」のためには、寝室にスマホを持ち込まないようにしましょう。
「濃い眠り」を目指して、今夜からでもぜひ、眠りのためのマインドセット習慣を始めてみてください。
〈健康トレンド〉次回予告
免疫力アップの秘訣!日常の生活習慣の見直しをしよう
今後も、皆さまが自分らしい人生を送るためのヒントや癒やし、アドバイスなど楽しいコンテンツをお届けします!
- 上記の内容は予告なく変更する場合がございますのでご了承ください
<監修者プロフィール>
友野なお(ともの なお)
株式会社 SEA Trinity 代表取締役・睡眠コンサルタント
自身が睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエットと重度のパニック障害、そして体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。 行動療法からの睡眠改善、快眠を促す寝室空間づくりを得意とし、全国での講演活動や企業におけるコンサルティング・プロモーション、また執筆活動などを行う。
千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程/順天堂大学 大学院スポーツ健康科学研究科 修士/日本公衆衛生学、日本睡眠学会 正会員