リスクコンサルタントの朝の日課
AIG損保の福井支店に勤務するリスクコンサルタント・土田修平の朝は、社内外のニュースチェックからはじまる。
この日は、「お客さまに送りたい情報を見つけました」と、メールの文面作りにとりかかった。保険商品の案内ではない。中小企業に関連する制度があらたに施行されるとの情報を目にしたからだった。
製造業や建設業を中心に、新しいチャレンジに踏み出していく経営者を多く顧客に持つ土田。保険につながるもの、つながらないものを問わず、中小企業にとってリスクが潜む情報は必ず送ると決めている。
つい先日も、中小企業で義務化された「パワハラ防止法」に関する情報を送ったところだった。
「こうしたメールをきっかけに、保険の成約につながればもちろんうれしいと思います。でも、AIGにはもともと『アクティブ・ケア』という概念があって、万一の事故が起きる前に積極的に予防する、そのために動くことが推奨されているのです。たとえ成約につながらなくても、お客さまの事故を防げるならそれが一番! いつも、この情報提供が予防のきっかけになることを願いながらメールを送っています」
人生の岐路に立った32歳 AIG損保で働く理由
もとはメーカーの営業として全国を飛び回っていた土田。しかし、生まれ故郷である福井県で働きたいとの思いが高まり、32歳で転職を決意した。保険業界を志したきっかけは、26歳の時に生命保険のプランナーと出会ったことだった。
「そのプランナーは、私の将来の夢、叶えたい願い、今の思いをたくさん聞いた上でピッタリの保険を設計してくれました。彼の丁寧な解説によって、なぜ保険が必要なのかも腑に落ちた。それまでは、保険といえば知人の縁故で入るものだと思っていたので、保険観がガラッと変わりました」
2021年1月にAIG損保に入社。数ある保険会社の中から惹かれた理由は3つある。
「1つ目は、中小企業に特化したマーケットでパッケージ売りをせず、その企業のためだけに一からプランを設計する点にやりがいを感じたこと。2つ目は先にも述べた『アクティブ・ケア』の考え方で予防のために力を尽くす点に共感したこと。3つ目は、研修制度が手厚かったこと。」
そう土田が話す「研修制度」とは、保険代理店の経営者を育てる「ICA社員制度」のことだ。5年をかけて代理店として独立できる人材を育て、毎年多くの卒業生を輩出している。残念ながら志半ばで退職してしまう者もいるが、今年で2年目となる土田はすでにオープンダッシュ賞、新人賞の2つの大きなタイトルを獲得し4年後の独立に向けて順調に新たなステージを進み続けている。
また、土田が「手厚い」と評した研修制度は他にもある。
「AIG損保には『アクティブ・ケア』の概念に基づいて、リスクコンサルタントを育てる制度が整っていることも強みの一つです。私もリスクコンサルティングに関する社内資格を取得し、そのおかげで保険商品以外の知識も数多く得ることができています」
リスクコンサルタントとして世の中のあらゆるリスクについて考え、保険を売る・売らないということを超えてお客さまのビジネスに貢献できる。それが何よりうれしいと土田は話す。
「もっと丁寧に傾聴しなさい」ソリシターの教え
日々の実務を通じて学ぶことも多いという土田。ICA社員制度を利用する“ICA社員”には、「ソリシター」と呼ばれる営業社員がつく。保険商品のこと、営業手法のこと、どんなことでも相談できる専属のパートナーであり、時には見込企業へ同行もしてくれる「メンターのような存在」だと土田は言う。
「私はいつも心の底から『いい商品だ!』と思ったものを、お客さまにオススメしたくなるのですが、ソリシターに『それはちがう』とキッパリ言われました」
リスクコンサルタントは、お客さまの抱えるリスクを見極め、本当に必要なもの、役にたつものをピタリと選んであげられてこそ。まずはお客さまの声を真剣に聞きなさい。自分の知識を話すのはそのあとだ。
そう諭されて、土田は思った。そういえば、かつて出会った保険プランナーもよく話を聞いてくれる人だった。そこに自分は感動したのではなかったか。
以来、土田は営業スタイルを変えた。顧客の声に真剣に耳を傾け、まだ顧客自身が気づいていない潜在的なニーズをも探りながら、ベストだと思うプランを組み上げ、提案する。目に見えない安心をお届けし、お客さまとの信頼関係を築いていくことに、やりがいをはっきりと感じている。
地元になくてはならない“相談窓口”に 独立の先にある夢
「土田くんのメールを見て、就業規則を修正しました」
「この制度、見逃していました。どうもありがとう!」
「ちょっと相談したいことがあるから、寄ってくれる?」
土田のメールボックスには、顧客である経営者たちからうれしい返信が戻ってきていた。訪問のアポイントも順調に決まっていく。
「アポイントを取ったお客さまのところへ商談に行くと、保険の話だけでなく、時には『しっかり休んでる?健康第一だよ!』なんて僕の方が心配されたり(笑)。人と人とのつながりの大切さを感じる毎日です」
独立はゴールじゃなくて、スタート地点。そう話す土田の目は、数年後よりもはるか先を見つめている。
「代理店として独立し、保険のプロフェッショナルであるという役割を果たすのはもちろん、一人の人間として、地元で“なくてはならない存在”になりたいんです。だから、今後もいろんな業種の方とネットワークを築いていきたい。私だけでは解決できないことも、相談できる仲間がいればきっと可能になるはず。困ったらいつでも頼ってもらえるような、身近なところでチカラになれるような、そんな地元の相談窓口になることを目指して、これからも学び続けます!」