AIGあれこれ

日本にとっての課題、中小企業の事業継続力強化を支援(AIG損保)

2022/04/06

日本では自然災害の頻発化や巨大地震の発生周期が迫る等の問題が深刻さを増しており、多くの中小企業にとって事業継続が大きな課題になっています。そんな中、AIG損保は中小企業を主要マーケットとする保険会社として、中小企業庁や当社代理店と緊密に連携し、中小企業を取り巻くリスクを認識し、事業継続や雇用維持のために事前の備えを講じられるよう様々な支援を行っています。本記事ではそれらの取組みの一部をご紹介します。

BCPを策定している企業は依然低水準

災害大国の日本にとって、事前にリスクを想定し、発生後の対応措置などを準備しておくことは不可欠です。しかし帝国データバンクが2016年から毎年調査している「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査」によると、2021年5月実施の最新調査(有効回答企業数1万1,242社)で「BCPを策定している」という回答は17.6%と低水準が続いています。規模別でみると大企業は32.0%、中小企業は14.7%となり、特に中小企業の取組みが課題であることが浮き彫りとなっています。

BCPの策定がなかなか進まない状況を改善し、中小企業の災害への対応力を高め事業継続力を強化するため「中小企業強靭化法」が2019年7月に施行され、中小企業が策定した防災・減災・事業継続の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する「事業継続力強化計画」認定制度が開始されました。中小企業が防災・減災や事業継続に関する事前対策の計画を策定し、これを実行することを経済産業大臣に申請して認定される制度ですが、税制優遇や金融支援のほか、補助金などの支援を受けることも可能になります。

リスクを“見える化”して解決策を提案

AIG損保では、(1)中小企業ビジネスや企業所在地の自然災害に関するリスク情報の提供 (2)リスクコンサルティング(3)リスクファイナンスの3つを柱とする「中小企業強靭化プロジェクト」を2019年8月に立ち上げ、中小企業が「事業継続力強化計画」を積極的に活用し、自社の強靭化に資する取組みを後押ししてきました。

AIG損保はこのプロジェクトの一環として中小企業に対し、事業継続力強化計画の作成サポートを行っています。担当者の1人、山口 真吾(関信越地域事業本部つくば支店ソリシター)は、この取組みをお客さまのリスクを“見える化”する手段として役立てています。

事業継続力強化計画の申請書のフォーマットはリスクが顕在化されるように設計されており、様々な角度から災害に対する備えを伺う項目があります。つまり、記入していくなかで「埋まらない項目=現状で備えが不足している部分」が見えてくるのです。

このようにリスクが見えると、私たちは保険という形で解決策を提案できます。もちろん、他の方法でリスクを回避することもできますので、お客さまのご意向を確認しながら進めています。このようにして申請書の項目をすべて埋めることができれば、事業継続力強化計画の認定を受ける方向で進めることもできます。

私はコンサルティングを通じてお客さまの会社に潜むリスクを一緒に考えることが第一だと考えています。その上でサポートを求められるなら喜んでサポートする。そのスタンスを大切にしています。

AIG損保 関信越地域事業本部
つくば支店ソリシター 山口 真吾

支援に役立つツールの開発も

中小企業の事業継続力強化の支援で活用されているツールの1つに、「BCP ACTIVE CARE promotion(自然災害診断サービス)」があります。AIG損保は2019年6月から顧客向けツールとして使用を希望する代理店に、同サービスを提供しています。これは地震、津波、洪水、土砂崩れといった自然災害リスクの発生予測をマッピングすることで、中小企業の顧客に災害時のリスクを認識してもらい、リスクマネジメントの支援に活用するものです。企業の自然災害リスクを可視化し、何を備えるべきかを提案する上で役立っています。

同サービスはこれまでに約500代理店に提供されており、今後もハザードデータの更新などバージョンアップが予定されています。

自然災害リスクの発生予測をマッピングした様子。AIG損保はこれら内容を含めた自然災害リスクレポートを7,500社以上の企業に対して提供してきました。

支援の取組みは社外からも高く評価

AIG損保の中小企業の事業継続強化の支援は社外からも高く評価されています。

2019年には一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会による「ジャパン・レジリエンス・アワード2019(強靱化大賞)」において「『AIG Flood Lens』による保険金請求奨励、被災したお客様の訪問計画」が最優秀レジリエンス賞を受賞。「AIG Flood Lens」は、契約者情報と災害に関する様々なマップを重ね合わせることで災害時の被災エリアの状況を特定し、迅速な保険金支払いに活用できるようにしたツールで、2018年7月に起きた西日本豪雨などで活用されました。また、「BCP ACTIVE CARE promotion」も優秀賞を受賞しました。

2020年には「中小企業の事業継続とリスクマネジメント支援」の取組みにおいて、「Insurance Asia Awards 2020」の「CSR Initiative of the Year」を受賞。「Insurance Asia Awards 2020」は、シンガポール、香港およびフィリピンを拠点とするCharlton Media Groupが主催し、アジア各国の保険会社の卓越した商品、サービスおよび取組みを表彰するものです。

さらに、2021年には、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会による「ジャパン・レジリエンス・アワード2021(強靱化大賞)」において「震災後の事業継続と地域社会・経済の復旧を事前準備する、AIG損保の中小企業強靱化プロジェクト」が最優秀レジリエンス賞を受賞しました。

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