リアルストーリーズ

「ビジネスは壁だらけ」 起業家が思う保険の価値

自社商品にクレーム発生 起業家が直面したトラブル

思いもよらなかったお客さまからの声に、「KO DESIGN CONCEPT(コーデザインコンセプト)」代表・小柴大樹さんは青ざめていた。自社のオリジナルブランドから満を持して発売したタオルに、クレームが発生していた。

小柴さんが同社を起業したのは2004年。前職では、大手インテリアショップの立ち上げに参加し、コンサルタント事業にも従事。独立後はその経験を活かし、北欧系ライフスタイル雑貨を扱うオンラインショップ「KOZLIFE(コズライフ)」の運営をスタートした。

「事業が軌道に乗ると、次は自らブランドを育ててみたいという思いが出てきました。事業拡大において、利益率や競争力を考えたとき、自社のブランドをもつことは欠かせません。そこで、2016年に戦略として新しくプライベートブランドを立ち上げ、そのリスクヘッジとしてAIG損保の賠償保険に加入したんです」リスクヘッジとしてAIG損保の賠償保険に加入したと語る小柴さん

クレームが発生したのは2017年。プライベートブランドの更なる拡大を目指し、邁進していたところだった。新築の家に入れたばかりのカウンターの大理石の天板に、同社のオンラインショップで購入したタオルの色が移ってしまったという。

「タオルの使用方法や注意点については商品ページに記載していましたが、もっと細かく書くべきだったんです。お客さまにとってみれば、新生活をはじめる大切なタイミングだったはず。申し訳ないことになってしまいました」

一刻も早く対応しようと考えた小柴さんは、すぐに保険の担当者に連絡をとった。AIGパートナーズの豊原である。

賠償保険が円満なクレーム解決の要に

「すぐに謝罪の準備をし、お客さまの自宅を訪問することになりました。でも、初めての事態で、どう対応するのが最適なのかがわからなかった。豊原さんに相談すると、『よかったらご一緒に参りましょうか』とご提案くださったんです」

当時、重要な案件が重なっていた小柴さんの代わりに、オンラインショップの店長を務める妻と担当者、そして豊原がお客さまの自宅を訪れた。持参した掃除道具で修復を試みたが、元の色には戻らなかった。

「豊原さんが保険の担当者として同行し、現場を確認されたことで、お客さまはずいぶん安心されたようでした。その後、無事に加入していた賠償保険で対応でき、円満に解決できたんです」

クレームが起きた当時のことを、いい勉強になったと小柴さんは振り返る。

「振り返れば、ぼくのビジネスはいつも壁にぶつかってばかり。でも、だからこそ保険の大切さが身にしみています。ものづくりに伴う責任は重く、万一があったときに『誠実なブランドである』と信頼していただくためにも保険の存在は欠かせません。保険があるからこそ、自信をもって事業を拡大していけるのだと実感しています」

“どんな保険に入っていたか”が未来を左右する

保険といえば、小柴さんには過去に苦い思い出がある。かつて飲食店を経営していたとき、同じビルの上階で火災が起き、店が類焼した。

「明らかな貰い事故だったので、補償してもらえるのかと思いきや、そんな法律はどこにもなかった。幸い、自ら加入していた保険による保険金は下りましたが、もしなかったらと思うとゾッとします」

それでも新しい場所で店を継続する資金としては足らず、やむなく従業員を解雇し、店をたたんだ。それまでコツコツと築き上げたものが、たった一日で崩れ去った。

「今となってみれば、これもいい勉強です。が、当時は絶望しました。聞けば、継続資金や休業補償まで含めて備えられる保険があるそうですね。もしその保険に加入していたら、現在も飲食業を続けていたかもしれません。保険は、ダイレクトに私たちの未来を左右します」

日本の可能性を信じて海外へ 社員たちと挑戦し続ける

職場のリスクヘッジに本腰を入れたと語る小柴さんタオルのクレーム処理を完了させたのち、小柴さんは職場のリスクヘッジにも本腰を入れた。「社員は会社の力そのもの」という思いから、社員はもちろん、パートやアルバイトから事業主まで広くけが・病気をカバーできる「業務災害総合保険(ハイパー任意労災)」、さらにそこに付帯できる「メディカル特約」や生命保険で「がん保険」にも加入した。

「業務災害総合保険は2021年に妻が病気になった際に役立ちました。豊原さんに電話をすると、すぐに『保険で対応できるかどうか』を確認してくださり、おかげで“入院する”という選択肢を選べて助かりました。まさに信頼できるパートナーですね」

数々の危機を乗り超えてきた小柴さんは、今、プライベートブランドの海外進出に向けて準備を進めている。

「海外の輸入品を手がけるうちに、メイド・イン・ジャパンの素晴らしさ、可能性の豊かさが理解できるようになりました。国内向けに作られたものでも、デザインを少しひねれば十分海外で喜ばれる品になりえる。実際にアメリカや韓国、シンガポールへの輸出もすでにスタートしていて、確かな手応えを感じています」

現在、運営するオンラインショップで英語や中国語といった多言語対応も進めている。自社製品の海外販売には、これまで以上に多様なリスクがつきまとう。しかし、小柴さんの顔は晴れやかだ。

「ちょうど今、豊原さんに相談し、海外でも安心して活動できるような保険を組み上げてもらっているところなんです。ブランドとしての品質と誠意、そして働いてくれる人たちの幸せを大切にしながら、新しい分野へと歩み続けます」

<プロフィール>

小柴 大樹(こしば だいき)
幼少期海外で過ごし、アメリカのボストン大学卒業後、デンマークの会社に勤務。コペンハーゲンで家具やインテリア雑貨等のバイヤーを経験。2004年に有限会社KO DESIGN CONCEPTを立ち上げる。2008年にオンラインショップKOZLIFEの運営をスタート。現在は北欧ブランドの輸入代理や自社ブランドの開発を行い国内外で販売している。

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