2023/06/26
AIGには、「ICA社員制度」というものがあります。基本給と業績給を得ながら最長5年でプロ代理店として独立をめざす制度です。日本全国にある70ほどの拠点のうち希望エリアで働くことができ、地方在住で収入アップややりがいを求める人々には大きなチャンスとなるICA社員制度。昨年、このICA社員を育てるサポート体制が「バーチャルオフィスプログラム」によって強化されました。その詳しい内容や今まさにICA社員として活躍する2人の生の声をお伝えします。
全国各地共通のトレーニングプログラムで学ぶ意味
毎朝9時10分になると、北は釧路、旭川から南は沖縄まで全国40以上の拠点にいる人々がオンライン画面上で挨拶を交わします。全国で活躍する「ICA社員」の朝礼の様子です。ICA(Independent Career Agent)社員とは、AIGの一員として研修を受けながら最長5年でプロ代理店への独立をめざす人を指します。AIGで活躍するプロ代理店の多くがこのICA社員育成制度の出身。最初の2カ月間で専任トレーナーや営業担当者から保険知識やセールス技術を学び、最長5年の間にICA社員として営業基盤を開拓、開拓した客先を引き継いだ形でプロ代理店として独立していきます。
ICA社員の育成カリキュラムはさらに強力なバックアップ体制が整えられ、昨冬より本格稼働しています。「AIG Training Studio」(トレーニングスタジオ)を活用したバーチャルオフィスプログラムです。ICA社員が在籍する全国70ほどの拠点と本社内に設置されたトレーニングスタジオを結んでバーチャルオフィスを作り出し、冒頭の朝礼のほか全国の地方都市を一斉につないだテレアポや勉強会、ロールプレイなどを行っています。
もちろんこれまでも東京、横浜、名古屋、大阪などの都市部の拠点では支店それぞれに研修や必要な知識の習得、同行営業トレーニングなどを行ってきました。来年、旧AIUの時代にスタートしたICA社員制度はスタートして60年を迎える節目。
これからのAIGの成長を促進する重要な戦力として現在、地方都市でICA社員の採用に力を入れており「スキルや知識のバラつきが少なくなるよう全国で統一したトレーニングを提供していく必要が出てきたため、あらたにバーチャルオフィスのサポート体制をスタートしました」と、プロチャネル統括部キャリアエージェントユニットユニットマネージャーの山下正人はその背景を説明します。
プロチャネル統括部 キャリアエージェントユニット
山下正人
日本は中小企業が圧倒的な割合を占め、とくに大企業は都市部に集中しているため地方は中小規模の企業がほとんどという実態があります。中小や小規模企業向けの法人営業が主体のICA社員の育成は、AIGが戦略的に力を入れている地方拠点の拡大のためには必須。そのためのサポート体制としてバーチャルオフィスプログラムは生み出されたというわけです。
「バーチャル朝礼」で生まれるICA社員の一体感
プログラムが本格稼働して約1年が経ち、「日本各地のICA社員がバーチャルオフィスに“集まる”ことの効果を実感しています」とプロチャネル統括部キャリアエージェントユニットバーチャルオフィスシニアマネージャーの香取智宏は言います。
現在、5つのプログラムを高いスキルと経験のある担当者が交代で行っており、そのうちの1つが冒頭の「朝礼」です。毎日25分間、各支店の朝礼の後に行います。各拠点当番制で3分間スピーチで成約案件について発表し、本社のトレーニングスタジオからパワーポイント5枚程度にまとめた損害保険に関わる最新情報を提供します。ある日は改正された意匠法を取り上げ、顧客のどういったリスクに備えることができるか説明。お客さまが抱える悩みやリスクに対して保険を使った解決方法を学べる時間としています。
プロチャネル統括部 キャリアエージェントユニット
バーチャルオフィス 香取智宏
2つ目が毎週火曜日の午前中の「テレキャンプ」です。各拠点でICA社員がそれぞれ電話営業している様子をカメラオンの状態でつなぎます。
「電話をしても話をろくに聞いてもらえず悶々としているようだなと思えば、本社のトレーニングスタジオから声がけし具体的にアドバイスします。やりとりがうまいICA社員がいた場合はどうやったのか、みんなの前で話をしてもらうこともあります。拠点によってはICA社員が1〜2名というところもあり、リアルオフィスの席ではほかの人がどうしているのかなかなか知ることができません。テレキャンプで同じ悩みを抱えながら成約を勝ち取っている日本各地の“仲間”の様子を間近で見て、刺激を受けるようです」(香取)
そして3つ目が月曜日の午前中に行う「勉強会」。4つ目が「フォーカス」と呼んでいるミーティングで、週に1度、それぞれの1週間の行動量と営業結果を報告しあいます。
「複数人集まると、そこには目標通りの行動量で営業結果を残している人もいれば、ペースダウンしている人もいる。日々夢中で過ごしていると自分はこのままでいいのか、改善する必要があるのかわからなくなるときがありますが、自分にとっての“ベストのペース”を知り、仲間の動きや取組を知ることで自分の立ち位置や改善点が見えてきます。もちろん、つねに行動量だけを求められているわけではなく、悩んだり壁にぶつかった時、第三者の目でアドバイスを受ける事が成長に役立つのだと考えています」(香取)
5つ目が「フィードバック」。これは初期2カ月間のトレーニングセンターでの研修期間中の相談の場のような役割です。身近に気軽に相談できる先輩がいないことも多いため、「客先に営業に行ったら保険はいらないと言われました。どうしたらいいでしょうか?」など、最初に経験する疑問やわからないことを雑談を交え4〜8人で話し合える場を、週2回1時間程度で提供しています。
バーチャルオフィスプログラムへの参加は、強制ではありません。「ですから参加すれば自身の成長につながると感じてもらえるようにするため、1年間試行錯誤してきました」と香取さんは説明します。朝礼では対面同様の雰囲気や緊張感を出すために双方向で発言する機会を設けたり、3分間スピーチを取り入れたりと、参加者の気持ちを盛り上げる工夫を盛り込んでいます。その効果は、損害保険会社の売り上げに当たる収入保険料をみるとわかります。プログラムがスタートして間もない頃の2022年3月のバーチャル朝礼参加者全体の1カ月の新規保険料は500万円強。それが1年後の2023年3月には4000万円強。ICA社員自体の数が増えているとはいえ、間違いなく「稼ぐICA社員」も増えているからこそ達成できた数字でしょう。
成功も失敗も情報共有することでお互いを高め合う
「バーチャルオフィスができたことで、悩んでいるのは私だけじゃないんだなと思えるようになりました」と話すのは、ICA社員になって3年目、盛岡支店の五十嵐光平です。社会人野球をやりながら地元信用金庫、食品メーカー、建設機械リース会社で働いた後、ICA社員として働き始めました。
「30代前半になって中学生と小学校高学年の2人の子どもの将来のこと、教育費のことを考え収入アップの転職を考え始めました。そのときに転職情報サイトで目に入ったのがAIGのICA社員制度でした。基本給と業績給を得ながら保険知識やセールス技術を身につけられて、ゆくゆくは独立できるのはおもしろそうだなと思い応募しました」
盛岡支店 五十嵐光平
バーチャルオフィスプログラムがスタートする前は支店にICA社員は1人の環境で、相談できる人が身近にいませんでした。2年目にプログラムがスタートしてからは、全国のICA社員の成功事例や失敗事例を聞き、「朝礼で気づいた点をその日の営業先で試してうまくいったり、情報共有のありがたさを実感しています」と五十嵐は話します。
たとえばある日の朝礼で、「一緒に考えませんか?」「一緒にがんばりましょう」と目線を客先に合わせている人の話を聞き、五十嵐は「自分は営業先でそんな言葉を使ったことがないな。提案が上からの押し付けにとらえられる話し方をしていなかっただろうか?」と考えたそうです。「その後、電話営業のときに意識して話しをしたら距離感が縮まった気がしたんです」と五十嵐は自身の体験をうれしそうに話します。
「今は営業先でひどく冷たい対応を取られたときでも、落ち込むより“これは朝礼で話すネタになるぞ!”とノートにメモをしながら楽しめている自分がいます。失敗事例も次につながることとして前向きに話し合うバーチャルオフィスの仲間たちの顔が浮かぶから、孤独で心が折れるようなことはなくなりました」
営業経験も保険業界経験もなく入社し、ICA社員として活躍している女性もいます。福山支店の末川千紗です。
「前職では、食品を通信販売している会社のコールセンター業務を担っていました。受注業務やお客様相談室を4年ほど担当し、アップセルやクロスセル、売り上げを伸ばす施策に取り組んで数字が伸びていく楽しさを経験しました。と同時に、達成した数字に比例する形で評価されないことに、もどかしさを感じていました。そこで業務がひと段落したタイミングで転職をし、最後のチャレンジをしてみようと考えました」
福山支店 末川千紗
AIGのICA社員でのチャレンジを決めたのは、次のような理由があります。一つめが自身の人生プランの35歳までに転職の最後のタイミングだったこと、二つめがICA社員が法人営業で「保険営業」として一般的にイメージされるような縁故知人営業がないこと、三つめが戦略的に頭を使って理論で仕事が出来る面白さがあったこと。「企業のリスクに対して保険商品を活用した提案をするという仕事に対して、向き合うスタンスは女性だろうと男性だろうと同じだというところにやりがいを見出しました」と末川は話します。
ICA社員になって1年と数カ月が経ち「初めの頃の不安はなくなり、今はやりがいと楽しさしかありません」。自分自身の成長を感じた瞬間を次のように説明します。
「徐々に自分なりの営業スタイルを見つけていったのですが、大きく変わったなと感じたのは“商品を売らない”スタイルになってから。営業先に行くとき心配で不安で、保険商品の知識を身につけることで武装していたんですよね。客先では商品の特性を説明することに集中してしまっていました。でもそれでは、その商品に興味がない人には当然、断られてしまいます。なぜ客先の企業にその商品が必要なのか、背景にあるリスクについて話せるようになってから楽しくなりました」
このように大きく変われたのは、バーチャル朝礼で各地のICA社員の成功体験や失敗談を何度も聞き、営業で断られる悩みを気軽に相談できる場があったからだと末川は言います。
「本社にいるバーチャルオフィス担当者の方が、画面越しの表情をすごくよく見てくれていて。私は考えると眉間にシワが寄るんですがそんな小さいことも見過ごさず、バーチャル朝礼の後、個別で電話をいただいたこともありました。しんどくて営業の電話をかけられなくなったときは、東京から飛んできてくれてリアルで相談にのってくれたこともあります」
今では、各地のICA社員に成功事例を伝えることもあるといいます。
バーチャルオフィスプログラムは「稼げるICA社員」の育成に一役かっているようです。