海外進出白書

海外進出成功に向けたプロセスで専門家に依頼すべき業務とは?

2023年1⽉17⽇ 公開

海外ビジネス担当265人に聞く! #3 海外進出成功に向けたプロセスで専門家に依頼すべき業務とは?

海外進出には、市場調査や現地法⼈設⽴、プロモーション、⼈材採⽤といったさまざまな「プロセス/業務」が必要となります。では、何が「専⾨家に依頼すべき業務」で、何が「⾃社のみで実施する業務」なのでしょうか。すでに海外進出を果たしている⽇本企業の担当者に聞きました。

 

これらを知っておくことは、予算や⼯数を検討する上でも重要なポイントとなるはずです。これから海外進出を検討されている担当者の⽅は、参考にしてみてください。

調査概要について

調査概要と回答企業のプロフィール

本調査では、海外進出を検討している・実施している企業の担当者にアンケート調査を⾏いました。調査概要と回答企業は以下のとおりです。

海外進出企業の実態調査

調査⽅法 :インターネットによる⾃主調査
調査対象 :⾃社の海外ビジネス展開を検討したことのある担当者265名
調査期間 :2022年 4⽉18⽇〜 5⽉10⽇

回答企業の業種、所在地域、売上規模を⾒る

アンケート回答企業の業種

アンケート回答企業の所在地域

アンケート回答企業の売上規模

海外ビジネスの明暗をわける、成功企業の分岐点とは

⽇本とは環境の異なる海外ビジネスにおいて、事業を存続させていくとは簡単ではありません。海外ビジネスにおいて、事業をスタートさせるだけでなく、撤退せずに3年以上継続させられていることは、成功と⾔えるのではないでしょうか。そこで本調査では「海外事業を3年以上実施している企業」を「成功企業」と定義して、分析を⾏っています。

専⾨家活⽤のトップ3は、海外税務・会計、海外市場調査、海外法務

専⾨性の⾼い業務・プロセスこそ、優先して予算を確保する

専⾨家に依頼した業務に関しては、「海外税務・会計」「海外市場調査・マーケティング」「海外法務」「海外進出コンサルティング」「企業調査・与信調査」「海外会社設⽴・登記代⾏」など、専⾨性の⾼い業務が上位を占めています。当然ではありますが、専⾨性の⾼い業務・プロセスこそ、優先して予算を確保しておくべき事項といえるでしょう。

専⾨家にサポートを依頼したプロセス/業務(全体)

全回答を⾒る

⾃社で⾏うトップ3は、戦略・計画⽴案、海外視察、海外市場調査

専⾨家活⽤も多かった海外市場調査を⾃社で⾏う企業も

⾃社のみで⾏った業務に関しては、「海外進出戦略・事業計画⽴案」をはじめ、「海外視察」や「海外市場調査・マーケティング」「販路拡⼤(営業代⾏・代理店探し)」など、⾜や⼿を動かすことが重要な業務が上位を占めています。

 

ただし、「市場調査」に関しては、専⾨家に依頼をしている企業も27.5%と少なくありません。専⾨家活⽤と⾃社を合わせると70%を超える企業が実施している業務・プロセスとなっており、海外ビジネスの成否を分ける重要な業務であるということは明⽩です。それを⾃社のみで⾏なうか、専⾨家のサポートを受けながら⾏なうかは、慎重に判断していくべき事項と⾔えるでしょう。

⾃社のみで⾏ったプロセス/業務(全体)

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海外進出成功企業ほど⾼くなる、重要なプロセス/業務の実⾏率

より積極的で具体的になる専⾨家活⽤

成功企業の「専⾨家に依頼した業務」で、特に割合が⼤きくなり順位も変動していたものは「海外法務」や「海外企業との契約書作成・リーガルチェック」といった法律に関するものと、「海外⼈材採⽤・紹介」「就労ビザ申請代⾏」といった⼈材に関するものでした。

 

販路拡⼤が主な⽬的となる海外ビジネスにおいて、現地への販売の担い⼿は現地の⼈材であるのがベターです。そういった意味でも、成功を⽬指す企業は、海外展開初期段階から「海外⼈材採⽤・紹介」に取り組んでおくといいでしょう。

専⾨家にサポートを依頼したプロセス/業務(全体・成功企業のみ)

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⾃社のみの業務・プロセスも、実⾏率は⾼い

成功企業は「⾃社のみで⾏った業務」においても、特に上位のプロセス/業務の割合が⼤きくなっています。

⾃社のみで⾏ったプロセス/業務(全体・成功企業のみ)

全回答を⾒る

海外進出成功企業のリスクマネジメント意識

リスク管理の観点から重要なプロセスとなる「海外商標・特許申請」「海外企業との契約書作成・リーガルチェック」に関しては、専⾨的な知識・ノウハウが必要なため、専⾨家活⽤の割合が⾼くなっています。⼀⽅で、「海外保険」については、専⾨家に依頼せず、⾃社で⼿配と回答しているケースが多いようです(専⾨家依頼は10.9%、⾃社⼿配は16.6%)。

 

そもそも、保険の調達は、保険代理店や保険会社などの専⾨家との取引となります。それにもかかわらず、「⾃社のみで⾏った業務」と回答するということは、⾃社の適切なリスク状況に関して情報提供・アドバイスを受けて保険を選定しているか否かの違いが出ていると思われます。保険は重要なリスク管理のツールです。⾃社事業モデルに潜在するリスクを把握し、保険に移転できるリスクとそうでないリスクを理解し、リスクを予算化することで管理することは、海外展開を⾏っていく上では重要です。

出典

本原稿および全てのグラフは、2022年4⽉18⽇〜 5⽉10⽇の期間に、海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima 〜出島〜』が「⾃社の海外ビジネス展開を検討したことのある担当者265名」を対象に実施したアンケートをもとに作成された「海外進出⽩書〈リスク管理版〉2021-2022年版」を出典元とし、AIG損保で編集したものになります。

海外ビジネス⽀援プラットフォーム「Digima 〜出島〜」のページ(外部のサイトに移動します)

詳しくは「海外進出⽩書リスク管理版 2021-2022
(海外ビジネス担当265⼈に聞く!海外進出のプロセス編)」を
ご覧ください。

本記事で割愛した質問と回答などもあり、より詳しい内容をご覧になれます。

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